KEN’S REPORT「DCON2020」

2020.08.31 KEN'S REPORT

先月のレポートでお知らせした2020年7月23日(木・祝)に行われた日本ディープラーニング協会主催「合格者の会2020」ですが、開催から一ヶ月が経ち、当日のビデオが一般公開されました。日本ディープラーニング協会理事長である松尾豊東京大学教授がこれからディープラーニングで注目のビジネス分野や最新の学術動向の紹介をされていて、必見のビデオです。日本ディープラーニング協会のYouTubeチャンネルでご覧ください。

さて8月22日(土)に日経ホールで第一回全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト2020 DCON2020の本選が開催されました。昨年プレ大会が開催されて、今年が正式な第一回目の開催となります。

(日経チャンネルより)

昨年はプレ大会でしたが、参加者のうち、長岡工業高等専門学校と香川高等専門学校の学生が既に実際に起業しています。高専生たちが自らの技術に自信を持ち、地域の課題を解決するビジネスプランを考え、果敢に起業する様子は大変頼もしいものがあります。
今年の本選には予選を勝ち抜いた以下の11チームが参加しました。

東京工業高等専門学校 プロコンゼミ点字研究会

:::doc 自動点字相互翻訳システム

鳥羽商船高等専門学校 NIT TOBA, SiraisiLab

Deep Learningを用いた高品質カンキツ育成支援システム

佐世保工業高等専門学校 佐世保高専魚市場チーム

ディープラーニングを用いた高速魚種選別システム

長岡工業高等専門学校 視覚情報処理研究室

カリスモ / 車両を検出してアラートするモバイル端末

沖縄工業高等専門学校 Fish Learning 2.0

ディープラーニングを用いた美ら海の環境保護プロジェクト

鳥羽商船高等専門学校 ezaki-lab

RouteMap / 鳥羽市を対象として旅行プラン提供サービス

モンゴル3高専連合 モコ

IoTセンサーを使った火事検知とディープラーニングを使った火事の拡大範囲・ルート予測システム

香川高等専門学校 MitoyoRobotics

草刈りロボット / 自動走行で草刈りを行う人工知能搭載ロボット

長岡工業高等専門学校 プレラボチーム

音とセンサーを使って部屋に人が居るかを検知するシステム

阿南工業高等専門学校 岡本Lab

ナメクジ忌避システム

北九州工業高等専門学校 久池井デジものチーム

物流倉庫の自動化と作業負担軽減を実現する次世代物流AGVシステム

DCONは技術力を競うコンテストではなく、事業価値を競うものなので、本選当日は5分間のビジネスピッチを各チームが行い、それに対して投資家が3分間質問をして、投資するかどうかを判断します。もちろん技術力も重要で、実現出来ない荒唐無稽なものではいけないので、事前に松尾先生と早稲田大学の尾形先生による細かな技術審査が行われて、技術力にもお墨付きが与えられています。さらに高専生だけではビジネスプランを立てるのは難しいので、各チームにはABEJAの岡田CEOなど、著名起業家などがそれぞれのチームのメンターとして指導して、ビジネスモデルの考え方などを数か月に渡って指導をしています。
私は11チームの発表を全て見ましたが、みな良く練習していて、「自社」の技術や、地域の課題や市場規模などの分析から将来の売り上げ、利益の予測などを淀みなく話していました。ビジネスモデルは流行りのサブスクリプションで、地方自治体の補助金狙いの収益構造など、似通ってはいましたが、地域の課題なども学ぶことが出来て3時間強のイベントは大変面白いものでした。

私も投資家になったつもりで評価を付けていましたが、私の評価で1位は鳥羽商船のカンキツ育成支援システム、2位は佐世保高専の魚種選別システム、3位は長岡高専の音とセンサーを使って部屋に人が居るかを検知するシステムでした(プロの評価はそれぞれ、2位、3位、9位でした)。

総評で尾形先生が仰っていた「現在は既存のハードウェアにディープラーニングを加えて良くすることを考えているが、これからはディープラーニングありきでハードウェアの設計が変わるのではないか」という言葉が印象的でした。この点で機械や電気いじりが出来る高専生がディープラーニングを学んだことの最大のメリットで、松尾先生も「技術のすり合わせが日本のモノ作りの強みだが、ディープラーニングを学んだ高専生こそが、様々な技術の引出しを持って、創意工夫ですり合わせが出来る可能性を一番持っている」と仰っていました。

機械をいじる技術がないと、既製品のハードウェアにディープラーニングを追加することしか出来ませんが、両方出来る高専生ならば、ディープラーニングの特徴を活かした新しいハードウェア設計も出来る、という訳です。そういう意味では、高専生だけではなく、自分はハードウェアエンジニアだ、と思っている人こそディープラーニングを学ぶと強みになると思います。

この本選の様子は表彰式の様子も含めて約4時間弱ありますが、全編日経チャンネルで見ることが出来ます。また2020年9月6日(日)および13日(日)の午後11時30分からNHK教育テレビの「サイエンスZERO」でも放送されます。是非高専生たちの活躍をご覧ください。松尾先生のコスチュームにも注目!?です。

 

まだまだ毎日暑くて勉強する気も起きませんが、今年三回目のG検定は11月7日(土)に行われます。以前ジーデップ・アドバンスのオンラインセミナーでG検定に向けての勉強方法をご紹介しましたが、最近アップデートしたのでご紹介します。試験まであと約10週間ですが、少しでもお役に立てば幸いです。

林 憲一
1991年東京大学工学部計数工学科卒、同年富士通研究所入社し、超並列計算機AP1000の研究開発に従事。1998年にサン・マイクロシステムズに入社。米国本社にてエンタープライズサーバーSunFireの開発に携わる。その後マイクロソフトでのHPC製品マーケティングを経て、2010年にNVIDIA に入社。エンタープライズマーケティング本部長としてGPU コンピューティング、ディープラーニング、プロフェッショナルグラフィックスのマーケティングに従事し、GTC Japanを参加者300人のイベントから5,000人の一大イベントに押し上げる。2019年1月退職。同年3月 株式会社ジーデップ・アドバンス Executive Adviser に就任。日本ディープラーニング協会のG検定及びE資格取得。

TOPへ