KEN’S REPORT「GTC2020」

2020.04.10 KEN'S REPORT

4月1日より株式会社GDEPアドバンスは社名を「株式会社ジーデップ・アドバンス」に変更しました。
より読みやすく、皆様に親しんで頂けるよう日本語表記としました。常に最新の開発環境を提供し、トータルソリューションプロバイダとして皆様のお仕事を加速することをミッションに業務に邁進します!

今年で11回目となるNVIDIA主催のGPU Technology Conference(GTC 2020)が3月23日から26日まで米国カリフォルニア州サンノゼで開催され、世界中から多くのAI研究者、エンジニアが参加しました。中でも注目を集めたのがNVIDIAの創業者でありCEOのジェンスン フアンによる基調講演です。基調講演はもはやNVIDIAのNational Anthem(国歌)とも言える”I AM AI”から始まりました。今年は新しいGPUアーキテクチャが発表され、ゲーム、グラフィックス、HPC、ディープラーニング、ロボティクス、医療など、各分野の新製品、ソリューションの発表があり、盛りだくさんの内容でした。

と、ここまで準備していたのですが、ご案内の通り、今年のGTCはオンライン開催となり、基調講演はキャンセルされ、新製品の発表はありませんでした。オンラインとなって、しかも無料になりましたので、是非登録して興味のあるセッションを聴講してみてください。オンラインイベントとは言え、非常にたくさんのセッションがあるので、どれを見ればいいか迷うかもしれません。そんな方のためにNVIDIAのエンジニアが選んだ注目セッションをご紹介する会が4月17日(金)に日本ディープラーニング協会主催で開催されます。このオンラインイベントはG検定・E資格合格者限定イベントです。合格者の方は是非ご参加ください。日本ディープラーニング協会主催「ディープラーニング最新情報勉強会」

またジーデップ・アドバンスでもGTCに関するオンラインイベントを企画しています。決まり次第ジーデップ・アドバンスのTwitterでお知らせしますので、是非フォローしておいてください。

 さて3月27(金)、28日(土)にHuawei Developer Conference 2020(HDC2020)がオンラインで開催されました。このイベントも元々は2月中旬に深圳で開催される予定でしたが延期され、さらにオンラインでの開催となりました。初日はHuaweiの開発したサーバー用のArmプロセッサKunpeng(発音はクンペンではなく、クンポンに近い)に関するもので、二日目はHuaweiのAIプロセッサAscendに関するものでした。日本でも次世代のスーパーコンピュータ富岳がArmプロセッサを搭載し、NVIDIAも昨年のSC19でCUDA Toolkit for Armを発表するなど、サーバー・クラウド分野でもArmプロセッサの利用がいよいよ始まろうとしています。とは言え、HPCのアプリはスパコン毎に移植するものだからいいけれど、Armサーバーで動くビジネスアプリはあるの?、というのが素朴な疑問です。今回のHDCの基調講演ではそれに対する一つの解が示された気がします。その用途はモバイルクラウドゲーミングです。HDCの基調講演ではテンセントの方が登壇し、Huaweiクラウドとの提携を発表しました。テンセントは中国でもアリババに次ぐクラウドベンダーなのに、なぜHuaweiクラウドを使うのか、と言えばテンセントの持つモバイルゲームをHuaweiのArmプロセッサの上でネイティブに動かし、低遅延の5Gネットワークで配信出来るからです。HuaweiのArmプロセッサKunpengではAndroidやiOSのゲームがネイティブで動作するようになっており、クラウド上でレンダリングしてスマホに画像だけ転送すれば、どんなデバイスでも最高画質のモバイルゲームを楽しむことが出来ます。これまでPCゲームのクラウド対応はNVIDIAもやっていましたが、PCゲームより遥かに大きいマーケットであるモバイルゲームがクラウドで実行出来るというのはArmサーバーのキラーコンテンツではないか、と思います。

arm RISCからx86の時代へ移行したように、x86からArmへ変わる転換点を迎えている

 2日目の基調講演では昨年9月のHuawei Connect 2019で発表された新しいディープラーニングフレームワークであるMindSporeのリリースが発表されました。MindSporeはHuaweiが開発した新たなディープラーニングフレームワークで、PyTorchとTensorflowのいいとこどりをしたようなフレームワークです。さっそく中国版のGithubとも言われるGiteeからダウンロードしてサンプルコードを実行してみました。私のUbuntu PCに簡単にインストールして動かすことが出来ました。MindSporeはNVIDIAのGPUにも対応しているので、Google ColabのGPU(NVIDIA Tesla T4)を使って動かしてみましたが、こちらも簡単に動きました。アルファ版(バージョン0.1)なので、まだまだこれからとは思いますが、広く使われるようになるかもしれません。

 そう思った理由の一つは基調講演の聴講者の数です。HDCの基調講演は中国語と英語のチャネルがあり、それぞれ中国語のスライドと中国語の音声、英語のスライドと英語の同時通訳の音声になっていて、私は英語版を見ていました。英語版のライブの視聴者数は約5,000人でなかなか多いな、と思っていたのですが、中国語版のチャネルを見ると、なんと視聴者数が22万人でした!基調講演をライブで22万人が見ているなんて、到底中国には敵わない、と思わざるを得ませんでした。

HDC弾幕でスライドが見えない。この時は視聴者数は15万人!

 3月14日(土)に2020年最初のG検定の試験が行われましたが、どうだったでしょうか?今回は6,298名受験して4,198名が合格しました。この結果、これまで実施したG検定・E資格の合格者が20,318名(G検定18,721名、E資格1,660名)となり、2万人を超えました。まだまだAI人材は不足していますが、この2万人の方には是非ご活躍頂きたいです。

G過去7回のG検定合格者の都道府県別ランキング

 この図はG検定合格者の都道府県別のランキングですが、合格者が東京、神奈川、埼玉、千葉の東京圏に非常に偏っています。G検定は日本中どこからでも受験出来るオンライン試験なので、地方からもAI人材が生まれるようになればと思います。新型コロナウィルス対策で自宅待機されている方も多いと思いますが、まとまった勉強時間が取れるいい機会ですので、このピンチをチャンスに変えて、コロナ後の日本の発展を目指しましょう!


林 憲一
1991年東京大学工学部計数工学科卒、同年富士通研究所入社し、超並列計算機AP1000の研究開発に従事。1998年にサン・マイクロシステムズに入社。米国本社にてエンタープライズサーバーSunFireの開発に携わる。その後マイクロソフトでのHPC製品マーケティングを経て、2010年にNVIDIA に入社。エンタープライズマーケティング本部長としてGPU コンピューティング、ディープラーニング、プロフェッショナルグラフィックスのマーケティングに従事し、GTC Japanを参加者300人のイベントから5,000人の一大イベントに押し上げる。2019年1月退職。同年3月 株式会社ジーデップ・アドバンス Executive Adviser に就任。日本ディープラーニング協会のG検定及びE資格取得。

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