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AIスパコンの運用から学生の学びまで NVIDIA AI EnterpriseとNVIDIA DGX Sparkが支えるAI教育

東京工科大学 様

国内の私立大学最大となるAIスーパーコンピューター「青嵐」の導入を牽引し、AI教育の推進にも注力する東京工科大学の生野壮一郎教授。青嵐の構築・運用や、その利用促進に大きく貢献しているのが「NVIDIA AI Enterprise」や「NVIDIA DGX Spark™」である。

国内の私立大学最大となるAIスーパーコンピューター「青嵐」の導入を牽引し、AI教育の推進にも注力する東京工科大学の生野壮一郎教授。青嵐の構築・運用や、その利用促進に大きく貢献しているのが「NVIDIA AI Enterprise」や「NVIDIA DGX Spark」である。

東京工科大学 デジタルツインセンター長 コンピュータサイエンス学部教授 博士(工学)生野壮一郎氏

 2019年に人工知能専攻を設立するなど、近年はAI教育に力を入れている東京工科大学。2025年10月からはNVIDIAの最新AIプラットフォーム「NVIDIA DGX™ B200」×12台で構成されたAIスーパーコンピューター「青嵐」を学内で本格稼働させるなど、その取り組みを飛躍的に加速させている。

 多様なAI教育・研究を後押しする中核基盤としての利活用が期待される青嵐だが、これほどのインフラを導入するに至ったきっかけは、コンピュータサイエンス学部の生野壮一郎教授が2022年にテスト導入した“小規模GPUクラスター”にある。生野教授は青嵐の導入プロジェクトにおいても重要な役割を果たしたが、GPUのポテンシャルに注目し始めたのは2007年ごろから。NVIDIAのGPU向け並列計算プラットフォーム「CUDA®」※がちょうど普及し始めたころで、そこから現在に至るまでGPUを使った演算処理などの研究に取り組んできた。

 そうしたなか、GPUの活用に対する転機の1つとなったのが、2020年に登場したGPU「NVIDIA A100」である。NVIDIA A100は、その性能もさることながら、1基の物理GPUを複数の独立したGPUインスタンスに分割できる仮想化技術の「NVIDIA GRID(vGPU)」(現在の名称は「NVIDIA vGPU」)に対応。これにより、GPUの計算リソースを複数のタスク(あるいはユーザー)に無駄なく割り当てることが可能となった。そこで生野教授は、仮想化によって多くの学生がGPUに触れられるようになれば「面白い化学反応が起きるはず」と考え、NVIDIA A100を採用した小規模GPUクラスターを自身が教鞭を執るコンピュータサイエンス学部に導入したという。

 折しも当時は、急速に進化した「ディープラーニング(深層学習)」がブームとなっており、その流れを受けてGPUを研究に積極活用する学生が増加していた。コンピュータサイエンス学部で生野教授の研究をサポートする佐々木亮平講師は、「用意した80ライセンスの利用率がほぼ100%な状態が続くほどの稼働状況だった」と振り返る。

 そこから生野教授の取り組みが日本法人のエヌビディア合同会社に注目されたことを受け、東京工科大学は2023年9月にエヌビディア合同会社と学術交流連携を締結。「NVIDIA学生アンバサダープログラム」などを通じた学生の活躍などもあってNVIDIAとの関係性は一層深まり、AI教育を推進していくなかで最終的に青嵐の導入へとつながっていく。

※CUDA®:GPUを画像描画以外の一般的な計算(GPGPU)に使うためのGPU並列計算基盤

 

納品から3週間足らずで申請できたのは「本当に奇跡」

 

東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 講師 博士(工学)佐々木亮平氏

 青嵐にとってNVIDIA DGX B200は優れた性能を発揮するうえで欠かすことのできない重要な構成要素。一方、運用面で大きな役割を果たしているのがAI対応のエンタープライズプラットフォーム「NVIDIA AI Enterprise」である。NVIDIA AI EnterpriseはAIの開発・運用に必要なツールやライブラリ、サポートなどを豊富に提供している。例えばAI向けのGPUクラスター統合管理ソフトウェア「NVIDIA Base Command™ Manager」なども利用可能だ。生野教授は「データの簡易バックアップやリカバリー、あるいはシステム全体の監視などに大活躍している」と説明する。

 さらに生野教授は、NVIDIA AI Enterpriseを採用したことで「青嵐が納品時の初期状態でもおおむね動作した」という点を評価する。青嵐は、導入直後の2025年11月18日に発表された世界スーパーコンピュータランキング「TOP500」で374位に、「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」※で83位にランクイン。生野教授いわく「納品後すぐにベンチマークなどを計測し、3週間程度で申請した」そうだ。細かな最適化などをすることなく短期間で申請できただけでなく、ランクインできるまでの性能を発揮できたことは「本当に奇跡に近い」と舌を巻く。

 将来的には、NVIDIA AI Enterpriseで提供されるさまざまな技術やソフトウェア、フレームワークなどをさらに活用したいと話す。例えば以下のような内容だ。

  • オープンオンデマンドを通じて、ブラウザ経由で利用できる大規模言語モデル(LLM)環境の開発
  • Physics-Informed Neural Networks(PINN)による高精度な予測シミュレーション

※青嵐はその後も高い性能を維持しており、「TOP500(2026年6月版)」では世界第398位(国内第41位、国内私立大学第1位)、「HPCG(2026年6月版)」では世界第88位に継続ランクインしている。HPCGは、実際の科学技術計算で利用される処理特性に近い条件でスーパーコンピューターの性能を測定するベンチマーク指標。

 

高い性能を発揮するとともに、省電力にも優れるNVIDIA DGX Spark

 

1つの棚にまとめて設置されている小型AIスーパーコンピューター「NVIDIA DGX Spark」

 今後の幅広い利活用が期待される青嵐は、東京工科大学が掲げる「みんなのAIスパコン」構想に基づき、学生を含む大学内の研究者であれば基本的に誰でも利用できるAI環境として整備されている。しかし、研究室にある通常のPCよりも圧倒的にスペックが高いうえに、現状は事前に申請が必要なことから、佐々木講師は「学生がいきなり利用するにはまだハードルが高い」と説明する。そうした状況を鑑み、生野教授は学生が気軽に触れることができ、青嵐を利用するうえでの入口になるAIインフラとして、デスクトップタイプの小型AIスーパーコンピューター「NVIDIA DGX Spark」を2025年の年末に導入した。

 NVIDIA DGX Sparkは、優れたパフォーマンスと高い省電力性を両立しているのが大きな魅力だ。CPUとGPUを1チップに統合するとともに128GBの統合メモリを搭載する点が特徴で、手のひらサイズの超小型筐体でありながらも最大1ペタFLOPSのAI推論性能を発揮。生野教授は「このサイズ感で本当に高い処理能力を発揮できる点はかなり衝撃的だった」と高く評価する。佐々木講師も「将来的にローカルLLMを常駐させるような研究をしようと思った場合でも、NVIDIA DGX Sparkなら十分に対応できるだけの性能を持っている」と見込む。

 それだけの性能を備えながら最大消費電力は240Wに抑えられており、家庭やオフィスの標準的な電源コンセントでも稼働することが可能。現在、東京工科大学では約30台のNVIDIA DGX Sparkを1つの部屋にまとめて設置しているが、特別な電源工事をしなくてもまったく問題なく利用できている。佐々木講師は「一般的なスーパーコンピューターではとても考えられない」と、その驚異的な省電力性にも目を見張る。

 

 

 

AI大学と言えば「東京工科大学」。そう呼ばれるような地位を目指す

 

 青嵐やNVIDIA DGX Sparkを活用して自身の研究を加速させるのはもちろん、学生のAI教育にも今後さらに注力していく生野教授と佐々木講師。コンピュータサイエンス学部をはじめとする理系の学生だけにとどまらず、文系の学生にも積極的に青嵐やNVIDIA DGX Sparkを使ってもらうことで「AI for Scienceをどんどん加速させてほしい」と期待する。さらに生野教授は、「ベースをきちんと確立できればAI大学構想も実現できる」と語り、次のように結んだ。

 「現在、日本におけるAI研究の第一人者を挙げるとすると、例えば東京大学の松尾豊教授などはその筆頭と言える。しかし、AI研究のトップランナーと言えるような大学となると、具体的な大学名はなかなか挙がらない。だが、東京工科大学がAI分野における協定を結んだ米国のフロリダ大学はNVIDIAと連携し、全米トップクラスの“AI大学”として名を馳せている。同じく米国のジョージア工科大学やオレゴン州立大学なども有名だ。本大学もそういった米国の大学にならって『日本のAI大学と言えば東京工科大学』と呼ばれるような地位を目指していきたい」(生野教授)

 

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NVIDIA AI Enterprise

NVIDIA AI Enterprise

企業が生成AIや予測AIなどをビジネスで安全かつ効率的に導入するためのエンドツーエンドのAI対応エンタープライズプラットフォーム。データサイエンスパイプラインの高速化や予測AIモデルの開発・展開の合理化などによって重要なプロセスを自動化し、データから短期間で知見や洞察を得ることを可能にする。

東京工科大学 様の使用モデル

NVIDIA DGX Spark

最新のAIプロセッサである「NVIDIA GB10 Grace Blackwell スーパーチップ」を搭載した超小型筐体のAIスーパーコンピューター。CPUとGPUで共有できる128GBの統合メモリを搭載し、最大2,000億パラメーターのAIモデルの推論などを1台で実行可能。さらに「NVIDIA ConnectX ネットワーキング」で2台のSparkシステムを接続すれば、最大4,050億パラメーターのAIモデルを処理できる。

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